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失くした欠片が見つかれば ボクらは自由になれるのだ、と
切れた雲間に堕ち逝く翼を その羽根を
ひとつひとつ集めるためだけに 飛んでいるのでした

強固で頑な しっかりと閉じられた殻に
全てを統べる その『約束』のため
拾い集め寄せ集め そっと埋め納めていきました

目を奪われて そっと手に取ってはみたものの
からからと滑り堕ちる その光の欠片は
ただただ羽根を傷つけるばかり

光は恐らく 何かの拍子にふと漏れただけ
決して 足元を照らしはせず
寧ろ 強烈な眩しさに眼を閉じるしかなく
何の役にも立たない代物のようでした

だからこそ 拾い集めては埋め納め
ただひとえに アナタが傷付かないように、と

 

大丈夫 アナタはきっと眠っている筈
笑顔で柔らかなまま そこで眠っている筈

だって ボクが大事にしてきたのだから
全ての盾になりえようと誓ったアナタを アナタだけを

 

ー あぁ、なんてこと

必要なのは
堕ち逝く翼や羽根ではなかった
光の欠片でさえなかった

目指したのは アナタではなかった
埋めたのは ボクではなかった

アナタを忘れたわけじゃない
ボクが忘れられたわけじゃない

必要なのは
欠片を拾い集めることではなく
埋め納めることでもなかった

 

気付き 認め 受け入れる
そして
優しく抱きしめ合うだけ

 

アナタの声が ボクを呼んだ
ボクもまた アナタを呼び覚す

眼を閉じて祈った
誰でもない 誰かに

翼はまだ ゆくゆく抜け堕ち続け
欠片は確実に その羽根を傷付け

けれども

優しく 優しく
アナタの殻堕(からだ)を
そう そのカラダを そっと抱き締めてごらん

……ほら、解ったでしょう?

ボクらは自由だったのだ
偶然ではなく 必然で

(by 恵)