「あ、雨が降り始めた」 スマートフォンのディスプレイをあの人の呟きが滑り降りる。 夜の帰り道。 多少混み合った列車の中。 タブンすぐ近くで生活しているあの人に思いを馳せる。 顔をあげる。 雨が降り始めている。 走る列車の […]
Read More今夜もアリスは、ベッドの上でバクさんにお話をせがんでいます。 バクさんというのは、アリスの体ほどもある大きなぬいぐるみの名前です。 本当はオオアリクイのぬいぐるみなのですがアリスもバクさんもあまり気にしていません。 アリ […]
Read Moreそれが全てだと思っていた。僕の目の前に広がる世界が全てだと思っていた。 冬の夜空を振り仰ぐ。そこには満天の星が瞬いていて、なんだか怖い思いが押し寄せてくる。その奈落のような闇に吸い込まれ、落ちていくような感覚にめまいを感 […]
Read More失くした欠片が見つかれば ボクらは自由になれるのだ、と切れた雲間に堕ち逝く翼を その羽根をひとつひとつ集めるためだけに 飛んでいるのでした 強固で頑な しっかりと閉じられた殻に全てを統べる その『約束』のため拾い集め寄せ […]
Read More夕闇を歩く。 次第に暗くなっていく夕暮れ時を泳ぐ。 まるで、海の中を泳ぐように。 光り始めた街灯。 その街灯の光をうっすらと反射するガードレール。 夕焼けを映す自動販売機。 そして、空には夕焼けと真っ白な月。
Read More今夜もアリスは、ベッドの上でバクさんにお話をせがんでいます。 バクさんというのは、アリスの体ほどもある大きなぬいぐるみの名前です。 本当はオオアリクイのぬいぐるみなのですが、アリスもバクさんもあまり気にしていません。 ア […]
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